【高校数学の分かりやすいサイト】問題解説「微分」

良問集

こんにちは。数学者の妻たーこです。
わかりやすい高校数学」。
今日も楽しんでいきましょう!

たーこ
たーこ

今日は「微分」の問題だよ。
この手の問題はよく出るのできちんと確認していこう!

問題

問題
すべての $x$ について $(x-2)f'(x)=2f(x)-4$ を満たす整関数 $f(x)$ がある。
ただし,整関数とは整式で表される関数のことである。
次の問いに答えよ。
(1) $f(x)$ の次数を求めよ。
(2) $f(0)=1$ であるとき,$f(x)$ を求めよ。

解答

(1)の解答

$f(x)$ は整関数なので,整式で表せる。

つまり,最高次を$n$として

$$f(x)=a_nx^n+a_{n-1}x^{n-1}+\cdots +a_2x^2+a_1x+a_0~~(a_n\not=0)$$

と表せる。

よって,

$$f'(x)=na_n x^{n-1}+(n-1)a_{n-1}x^{n-2}+\cdots+2a_2x+a_1$$

とかける。

$$(x-2)f'(x)=2f(x)-4$$

に代入すると

\begin{align*}
(x-2)&(na_n x^{n-1}+(n-1)a_{n-1}x^{n-2}+\cdots+2a_2x+a_1)\\
&=2(a_nx^n+a_{n-1}x^{n-1}+\cdots +a_2x^2+a_1x+a_0)-4.
\end{align*}

よって,

\begin{align*}
&na_n x^{n}+(n-1)a_{n-1}x^{n-1}+\cdots+2a_2x^2+a_1x\\
&-2na_n x^{n-1}-2(n-1)a_{n-1}x^{n-2}-\cdots-4a_2x-2a_1\\
&=2a_nx^n+2a_{n-1}x^{n-1}+\cdots +2a_2x^2+2a_1x+2a_0-4.
\end{align*}

式を整理すると

\begin{align*}
&(na_n-2a_n) x^{n}+\Big((n-1)a_{n-1}-2na_n-2a_{n-1}\Big)x^{n-1}\\
&+\cdots\\
&\Big(a_1-4a_2-2a_1\Big)x
-2a_1-2a_0+4\\
&=0.
\end{align*}

よって,

\begin{align*}
&(n-2)a_n x^{n}+\Big((n-3)a_{n-1}-2na_n\Big)x^{n-1}\\
&+\cdots\\
&\Big(-a_1-4a_2\Big)x
-2a_1-2a_0+4\\
&=0.
\end{align*}

よって,

\begin{cases}
(n-2)a_n=0,\\
(n-3)a_{n-1}-2na_n=0,\\
\cdots\\
-a_1-4a_2=0,\\
-2a_1-2a_0+4=0.
\end{cases}

ここで,$a_n\not=0$より,1つ目の $(n-2)a_n=0$ から

$$n=2.$$

(2)の解答

(1) より $n=2$より

$$f(x)=a_2x^2+a_1x+a_0$$

とおける。

(1)の計算より,

\begin{cases}
-a_1-4a_2=0,\\
-2a_1-2a_0+4=0.
\end{cases}

更に仮定より,

$$f(0)=0+0+a_0=1.$$

以上より

\begin{cases}
a_2=-\frac{1}{4}a_1,\\
a_1=-a_0+2,\\
a_0=1.
\end{cases}

よって,

$$a_0=1,~~~a_1=1,~~~a_2=-\frac{1}{4}.$$

以上より,

$$f(x)=-\frac{1}{4}x^2+x+1.$$

なぜこのような問題が出るのか

今回は微分を含む方程式の問題でした。

実は大学では微分を含む方程式をそのまま「微分方程式」と呼んで研究しています。

大学の先生はこの専門家が多く,とても好きなので,

よく出題されるというわけです。

まとめ

1. 「整関数」とは最高次を$n$として
$$f(x)=a_nx^n+a_{n-1}x^{n-1}+\cdots+a_1x+a_0~~(a_n\not=0)$$
とかける。
2. 微分を含む方程式を「微分方程式」といい,よく出題される。

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